北インド古典ドゥルパド声楽のマスター
Pt. リトウィック・サンニャル 9月来日
合宿型ヴォーカル・ワークショップ
ドゥルパドキャンプ2016
Dhrupad Camp 2016
北インド古典ドゥルパド声楽のマスター
Pt. リトウィック・サンニャル 9月来日
合宿型ヴォーカル・ワークショップ
ドゥルパドキャンプ2016
Dhrupad Camp 2016
はじめに
皆さま、こんにちは。
ドゥルパド声楽のShreeです。
大変長らくお待たせいたしました。
3月ごろからそれとなく予告しておりました、
ドゥルパド声楽ダーガル流派のマスターにして私のドゥルパド声楽のグル(師)、
Pt. リトウィック・サンニャルの来日合宿型ワークショップのお知らせです。
この京都トコ会館での合宿ワークショップ、題しまして『ドゥルパド・キャンプ』は、
ドゥルパドを志したい方々だけでなく、この深遠なる声の芸術に興味をお持ちのかたに
ひろく参加していただこうと思い、企画致しました。
究極の声の芸術である、ドゥルパド声楽。声のマジシャンとも言えるドゥルパド歌手。
そのヴォイス・カルチャーと即興表現の深淵なる秘密に触れて、
あなたの声の可能性、歌の可能性を広げてみませんか?
ドゥルパド様式は、現在北インドに数種類ある古典音楽様式の中で、最も古く格式高いスタイルで、
ナーダ(音)/バクティ(帰依)/ジニャーナ(知識)という3つのヨーガを核にした
個人の精神修養のための音楽であると同時に、非常に高度に洗練された芸術音楽でもあります。
一つのラーガ(旋律型)を即興で表していくのがインド古典音楽なのですが、ドゥルパドの声楽も同じです。
一つのラーガの宇宙をゆっくりヴォイスで顕現させていくのです。
通常、そのプロセスは1曲1時間ほどになりますが、その間、歌い手は全編ほぼ即興で歌い詰めです。
まずは非常にゆっくり瞑想的に始まります。
その1音の長さ、曲線的なゆったりした動きと非常に繊細な表現は、
呼吸と、身体内部の気のコントロールに長けている必要があります。
気のコントロールが可能にする表現力の豊かさ、ダイナミックさ。それは感情からくる表現というよりは、
もっとヨーガ的な、宇宙のエネルギーとも連動するような表現ではないでしょうか。
深い声の響きは、ハートセンターからのナチュラルヴォイスで、ナーダ・ヨーガに根ざしています。
余談ですが、近年、自分の自然な声が好きになれない、という話を聞きます。
日本人に多いようです。それはなんとも悲しい話ではありませんか?
あなたの声は、宇宙の古今東西であなたにしかない、たったひとつのオリジナルな声なのです。
その美しさに目覚める。
そしてそのナチュラルヴォイス、すなわち飾らない自分の自然な声、それを深め磨いていくのです。
ドゥルパド声楽家の、ナチュラルヴォイスのままでの声域の広さは訓練の賜物で、
ドゥルパドにはそのための朝の行があります。
そして、身体の深くからくる「揺らし」のテクニック。
ガマクと呼ばれる技巧ですが、時には1オクターブ間という広い幅で揺らします。
発声も声域も揺らしも、喉だけで行うのではなく身体全体で行い、それはスシュムナー・ナディーや
チャクラといった、身体のヨーガにおけるエネルギーの流れやセンターと結びついています。
また、1時間もずっと一人で即興し続けるためには、歌い手は自由でなければなりません。
ラーガという枠はありますが、枠の中でだからこそ自由が光るのです。
1時間一人で即興、とは体力的にも精神的にもすごいことですよ。
それを可能にする様々な訓練がインドにはあります。
また、微分音を歌い分け聞き分ける音感も養わなければなりません。
でも、実際に即興するときは、すべてを捨てて己を無にする必要があります。
そこにドゥルパドが知識のヨーガである所以があるのです。
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今回の合宿型ワークショップ『ドゥルパド・キャンプ』では、
ドゥルパドのヴォイス・カルチャーと音感の育成、
幾つかの基本的なラーガを取り上げて、即興芸術としてのドゥルパドを体験しその手法を学ぶ、
有名なバンディシュ(ラーガ即興の後半に登場するテーマソング)とインドのリズム、
をテーマといたします。
日中のみの参加もできますが、宿泊もされれば、
日の出前のドゥルパドのヴォイスの行『マンドラ・サーダナ』も毎朝4:30からありますよ。
ヨーガの深い所に根ざしたドゥルパド声楽は、ジャンルを問わず、歌い手の方々にとって、
とても興味深い「声の芸術」ではないでしょうか。
また、これこそがヒーリングヴォイス、と私は思います。
このたびこの企画をさせて頂くことにつながる、そのすべてに感謝いたします。
歌う喜びを、あなたに。
Shree
9月18(日)〜9月22(木・祝)
おかげさまをもちまして、
ドゥルパド・キャンプは大好評のうちに終了いたしました。
また、このような機会が持てたらと思っております。
ありがとうございました。
09. Oct. 2016 Shree
AnahataNada企画